水回りを2階に配置するメリットとデメリット
水回りを2階に配置する?
家の設計をする段階で、たまにこんな話題がでます。
『水回り(トイレ、洗面所、お風呂、キッチン)を2階にするのはどうですかね?』
という話。
水回りは1階に配置することが圧倒的に多いわけですが、1階の間取りを広く取りたいなどの理由で敢えて2階にする場合もないわけではありません。
そこで、お風呂・洗面所を2階にした場合のメリットとデメリットをまとめますので参考にしてくださいね。
(トイレは2階にある=1階にもありますし、キッチン2階にする=2階リビングとなるので話が少しややこしくなりますので、ここではお風呂と洗面所のみにしぼります)
メリット
①お風呂・洗面所⇔物干し⇔寝室が近い
2階に洗濯物を干す(一番日当たりがいいこともある)という場合は、お風呂・洗面所(洗濯機)とバルコニーなどの物干しスペースと寝室の動線が近くなります。そのときの階段の上り下りもいらないので便利です。
しかも寝室のクローゼットに下着・洋服を収納している場合も動線が近いのは魅力ですね。
②1階の部屋を広くとりやすい
本来1階にあるお風呂と洗面所が2階に行くので、1階の部屋を広くとりやすくなります。
③2階がプライベート空間として完結する
1階だとどうしても来客時の動線が干渉しがちです。お風呂と洗面が2階にあることで2階がプライベート空間として完結するのは魅力です。
来客中もお風呂に入りやすいですね。
④お風呂・洗面所の窓を開けやすい
換気のために窓を開けておきやすいということも言えます。防犯上はおススメしませんが、目線は気にならない傾向になりやすいかな・・・。
デメリット
①老後が心配
老後を考えて平屋が人気の今、敢えて2階にお風呂と洗面所を持っていくというのはデメリットに感じる人も多いかと思われます。なんせ老後は階段の上り下りが大変でしょうからねぇ・・・。
②2階の部屋の大きさをとりにくい
先ほどの逆で、2階にお風呂と洗面所(だいたい2坪以上)のスペースが入るため個室の大きさをとりにくいことも。個室から洗面所に行く動線にするわけにもいかず、廊下も長くなる傾向になりますね。
③1階に手洗いがあったほうがいい
1階に手洗いがないと、1階のキッチンで手洗いなどするようになってしまうかもしれません。あと子どもが泥だらけでかえってきて2階まで上がらないといけないというのもあれですしね。あまりないでしょうが、来客時も2階まで手を洗いに行くのも問題ですし。
ということで、1階にも玄関先に手洗いを・・・となるとコストもかかるわけです。
④漏水したらやっかい
万が一漏水したら下の部屋がみずびたし・・・という最悪のケースもありえます。メンテナンスする場合も配管の下が部屋だと作業しずらいことも。(逆にすぐ漏水に気づくというメリットもありますけどね)
⑤間取りに制限がでる
④とのからみもありますが、お風呂の真下にリビング・・・というのは音の問題もあるし、避けたほうがいいかもしれません。
あとパイプスペースという配管を通すためだけのスペースが必要になります。そしてそのスペースが無駄だという考え方もありますし。
⑥売る時売れにくいかも
一般的に多い間取りのほうが売りやすい傾向があるので、可能性は低いでしょうがいざ中古住宅として売りに出した時に売りにくいということも考えられます。
⑦シャワーの水圧弱いことも
2階程度でしたらたいてい大丈夫ですが、水圧の弱い地域でエコキュートだと2階のシャワーの水圧が若干弱いこともごくまれにあります。ただでさえ最近のシャワーは節水型で水圧弱めですしね。
最後に
こうしてメリット・デメリットを並べてみましたが、やはり2階に水回りを配置するというのは安易にはおススメできません。
ただ、もちろん「2階での暮らしがしたい!」という明確な理由をお持ちの方がいらっしゃったら、2階に水回りもさせていただきますが、このメリット・デメリットを十分に理解した上でお願いしたいところですね。
間取りの設計で迷いそうな他のこともブログでたくさん書いてますのでぜひそちらもごらんください~⇒注文住宅の間取り・プランの作り方
~今日の体重=87.8(‐0.1)~
篠原秀和(シノハラヒデカズ)ニックネームはシノハラ(カタカナで。笑)
株式会社あめりか屋 代表取締役
一級建築士・住宅ローンアドバイザー
1977年6月23日生まれ
福井県敦賀市在住
2000年に日本大学卒業後、20代の頃は大手ゼネコンにて設計職と施工管理職を経験し、あめりか屋3代目として2007年から勤務。2011年頃から本格的に住宅事業を担当するようになり、業務は営業というか楽しいステキなお家づくりのプロデューサーをしています。
また自身のブログは2013年4月から毎日更新中。
・・・というマジメな仕事ぶりとはまた違った一面を持っていて、SNS(Instagram、twitter、Youtube、Facebook、TikTok)では楽しくてクスっと笑える投稿を日々発信中。ぜひフォローしてやってください。