「いいものをつくろう」と思わないから、改ざん・偽装がうまれる
こんにちは!福井県敦賀市の建築会社あめりか屋の失敗しない家づくりアドバイザーの篠原秀和です。
☆あめりか屋施工事例←ぜひごらんください☆
杭の改ざん・偽装問題
横浜のマンション(パークシティLaLa横浜)で2cm傾いた・・・という問題はご存知ですよね?
(↑この画像はイメージです。記事の話には関係ありませんので、あしからず・・・)
この問題について、同じ業界で働くものとして、さらに一級建築士であり、構造設計と現場施工管理経験を持つぼくちゃんの見解を書いてみますね。
↓熊谷組や鹿島建設で働いていた様子は以前の人気のこの記事↓
ぼくってこんな感じで働いてきました~大阪編~篠原秀和自己紹介
↑全米が泣いたとか、泣いてないとか。。。↑
問題の原因は?
今回の件は、傾斜が2cmも?か、2cmしか?という捉え方は置いておいて、実際にデータが改ざんされたのは事実なようですので、問題なのは問題です。
施工会社(旭化成建材)は故意にデータの改ざんがしていたわけですが、それはなぜなんでしょうか?かんたんに考えてみました。
・同社・他社でも同様の改ざんがあったことが明るみになっていることから推測すると、過去にも少々の改ざんでは大きな瑕疵(沈下)が現れなかったから、隠ぺいする習慣があった。
・杭が支持層(固い地盤)に届いてなかったら、杭の再発注や設計変更となり、工期がかかり、お金もかかる。でも、その時間もお金ももらえない可能性がある?から、隠ぺいした。
・電流計のデータは、古い杭打ち機ではその場で紙のデータが出力される電流計が搭載されているんだけど、屋外の作業のため、雨に濡れたり、風で飛ばされて紛失したりするから、データを流用した。
ということが言われているようですね。
設計に原因はあるのか?
あまり問われていませんが、そもそも要は杭の長さが足りなかったから、こんな問題になっているんです。つまりもっとちゃんと長ければ良かったという単純な話です。
しかし、地盤の中を調べるのはボーリング調査と言って、地盤を調査するわけですが、あくまで想定にすぎません。
杭の長さはこの想定を元に設計されているので、設計者責任になることはないと思われます。
しかし、「コストを安くするために、杭の長さを安全側じゃなくて、ギリギリまで短く設計しよう」という設計だとしたら・・・それはまたそれで原因が全くないとは言えないような。。。
発注者に原因はあるのか?
そもそもの発注者はデベロッパー会社となります。
デベロッパーはあまり責任を問われていませんが、安い工事金額で発注しているしわ寄せがあるのは事実だと思います。
今の建設工事請負契約では発注者は責任が問われませんが、もともと建物を所有目的で建てる発注者には「いいものをつくりたい」との意識が強く、それが工事費引き下げの歯止めになっていたはずです。
しかし、建物を転売目的で建てる(デベロッパー⇒入居者というエンドユーザーへ転売する)発注者は
「いいものをつくる」
よりも
「儲ける」
ことが優先されてしまっているかもしれません。
そのため、工事費の圧縮、工期の短縮を要求する傾向が強いのは事実でしょう。そこに業界全体としての責任があるのでは?ということも思うわけですね。
いいものをつくろう
ぼくたちものづくりに携わる技術者は、「いいものをつくろう」と思って、仕事を始めたはずです。
なにも欠陥住宅を建てて、儲けてやろうとは誰も思わなかったはず。実際にそこまでのことは思っていないにしろ、業界全体の習慣があったにせよ、仕事をごまかしてしまったのは事実です。
お花畑みなたいなことを言いますが、
やっぱりぼくら技術者は「いいものをつくろう」と思いたいよね。儲かればいいだなんて、違うよね。
・・・そんなことを思った「いろいろ言っちゃったから怒られないかしら2015冬」。笑
最後まで読んでくださいましてありがとうございます~。
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~今日の体重=84.8kg(+0.5)~
篠原秀和(シノハラヒデカズ)ニックネームはシノハラ(カタカナで。笑)
株式会社あめりか屋 代表取締役
一級建築士・住宅ローンアドバイザー
1977年6月23日生まれ
福井県敦賀市在住
2000年に日本大学卒業後、20代の頃は大手ゼネコンにて設計職と施工管理職を経験し、あめりか屋3代目として2007年から勤務。2011年頃から本格的に住宅事業を担当するようになり、業務は営業というか楽しいステキなお家づくりのプロデューサーをしています。
また自身のブログは2013年4月から毎日更新中。
・・・というマジメな仕事ぶりとはまた違った一面を持っていて、SNS(Instagram、twitter、Youtube、Facebook、TikTok)では楽しくてクスっと笑える投稿を日々発信中。ぜひフォローしてやってください。